学校法人つくし野学園 白百合幼稚園

ひろば白百合

House of Joyのお話をうかがいました

12月2日、フィリピンにある児童養護施設、House of Joyの澤村さんが、子どもたちにお話をしにきてくださいました。

House of Joyはフィリピンのミンダナオ島にあります。
House of Joyは『よろこびの家』という意味で、いつも子どもたちの笑顔に溢れている施設だと紹介してくださいました。
子どもたちは、綺麗な海で泳いだり、魚をつかまえてお料理して食べたり・・・
食べたお魚の骨を組み立てて、こんなドラゴンを作ったり、もちろん学校にも通ったりと、毎日元気に暮らしています。
House of Joyにいるのは人だけではありません。猫・犬・鶏・牛と、いろいろな動物も一緒に暮らしています。
でも、それはペットとしてではありません。猫はネズミから食べ物を守り、犬は泥棒から子どもたちを守る。鶏は朝を知らせて卵を生み、牛は荷物を運んだり畑仕事を手伝ったりします。
白百合幼稚園の子どもたちもHouse of Joyの生活にとても興味をもったようです。
スライドで紹介される写真を真剣な表情で見ていました。
House of Joyの子どもたちは、いろいろな事情があって親御さんと暮らすことができません。辛い思いをたくさんしてHouse of Joyにやってくるお友だちもいます。この写真の3きょうだいは、施設にやってきてからしばらくの間、不安と戸惑いでこんな表情をしていたそうです。
けれど、施設で暮らす他の子どもたちが楽しそうに毎日を過ごす姿を見て徐々に緊張が解け、2週間後には心からの笑顔を見せてくれるようになったそうです。
真ん中の女の子。この子もこのお写真ではすてきな笑顔ですが、施設に来た時には笑うことを知らず、「この赤ちゃんは一生笑うことはないだろう」とお医者さまに言われていたそうです。でも、House of Joyの子どもたちが「何が好き?」「一緒に遊ぼう!」と誘ったり、面白い顔をして見せたり、あの手この手で笑わせようとがんばったら、ある時から笑えるようになったそうです。
澤村さんが「House of Joyの子どもたちは、毎日楽しく暮らしているけれど、家族のいる家に帰ることはできないんだよ」とおっしゃった時、「車に乗ったらお母さんの所に行けるんじゃないの?」と、満3歳組の一人のお友だちが訊ねました。
「誰がご飯を作るの?」と年少さんも訊きました。
「どうして山に行って楽器を作るの?」と年中さんも訊ねました。

澤村さんは、「この子たちはいろいろな理由があって、お家には帰れないんだ。」「ご飯は料理の上手なお兄さんが作ってくれるけど、晩ご飯は子どもたちが当番制で作るんだよ。」「楽器やおもちゃを一人ひとりに買ってあげるにはお金がたくさん必要で、でも、そんなお金はないから、山や海で遊んだり、自分たちでおもちゃを作ったりしてるんだよ。」と答えてくださいました。

「それでも子どもたちはこんなに楽しく暮らしているんだ。」と、竹で作った楽器をスリッパで叩いて演奏する映像に合わせて澤村さんも箒でできた笛を吹いてみせてくださいました。
「すごい!上手だね!」と子どもたちも嬉しそう♪
そして、最後に、「もし、みんなの周りにも笑顔じゃないお友だちがいたら、『何が好き?』『一緒に遊ぼう!』ってたくさん話しかけて友だちになってあげてね。」「自分も楽しむ。けれど、他の人のことも楽しませてあげられるとすてきだね。」と伝えてくださいました。


家族と暮らすことができる、着る物も、食べ物も、おもちゃもたくさんある生活が当たり前ではないこと。私たちの日常からは想像もつかない悲しみの中にあっても、人は他の人のあたたかい言葉と笑顔で少しずつ心を、笑顔を取り戻すことができることを教えていただいた今回の講演会。少し難しいところもあったかもしれませんが、感謝と思いやりの心にも気づけたのではないかなと、子どもたちの表情を見て感じました。

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